抑えておきたい知識で「データ中心アプローチとデータの正規化」の知識が必要であることは記載しました。今回はそのことをもう少し掘り下げてお話ししたいと思います。
私は若手時代に社内の勉強会で「データ中心アプローチ」というものを知り非常に衝撃を受けました、そして「データ中心アプローチ」がどんどん広がっていく様を見続けてきて、今ではほとんどのシステムの構築手法に「データ中心アプローチ」が使われています。
最近システム屋になられて方は「データ中心アプローチ」を当たり前のように思うかもしれませんが、それ以前の状況をご理解いただくことで「データ中心アプローチ」の本質の理解に役立てていただければ幸いです。
なお、ここで記載する内容は説明を簡略化するために事実と異なる部分もありますがご了承ください。
データ中心の前(プロセス中止アプローチ)
データ中心アプローチが一般的になる前は、プロセス中心アプローチでした。欲しいものを定義しそれを得るためにシステムを作るイメージです。そのため欲しいものの数だけ一連のプロセスが必要でした。

しかし、ユーザーから見れば何度も同じような入力を行う必要があり(データを利用する方は便利でも)とても煩雑なものになっていきました。
データを中心に考えれば処理が効率化できる
そこで、同じようなデータを一ヵ所に集めてそれを自由に活用することで、ユーザーの負荷を軽減しつつシステムを効率的に構築しようという考えが生まれました。これがデータ中心アプローチの大元の考え方です。

しかし、困ったことが起きました。同じようなデータといいつつそれぞれのシステムはその活用方法に合わせたそれぞれのデータルールを持っており、そのデータを一元的に管理できるよに統一することは容易ではありませんでした。
データの統一ルールを決めようとしても、それぞれのシステム担当者は自分のシステムの大幅な改修が必要となるデータルールには当然反対しますからね・・・
そんなこんなでデータの統合をあきらめるケースも多々ありました(いわゆる「総論賛成」「各論反対」というやつですね)
また、実際データを統合出来たとしても、データの内容が期待通りになっておらず「今まで問題なく動いていたのに、データを統一したおかげで動かなくなった」ということもありました。
(つづく)
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