次のステップは「2. リリースまでのタスク明確化」です。
ステップ2:リリースまでのタスク明確化
「1:リリース後イメージの明確化」で目指すべき状態が明確化できたら、そこに至るまでに必要な作業を明確化することがこのステップの目的となります。この記事ではプロジェクト本来の作業(設計、開発、テスト、構築、移行)以外で、タスク・工数にインパクトがある項目を挙げます。それぞれの項目は場合によっては「プロジェクトを破滅させるようなインパクト」を持つので、十分に留意してください。
1: 作成ドキュメントの明確化
プロジェクトを進める上で作成/更改する必要があるドキュメントを明確にします。プロジェクトによってはシステム構築や検証作業といった本来の作業に費やす時間よりもドキュメント作成の方が時間を要するケースもありますよね。自分が想定したドキュメントの量/質が受入側との認識と合っていなと、トラブルプロジェクトなってしまう可能性があります。
“たかがドキュメント” と侮らないで、ちゃんとお客様の期待をチェックしましょう。以下にチェックポイントを記載します。
・ドキュメントの種類(各種設計書、説明資料、ユーザーマニュアル、運用マニュアル、テスト計画&結果報告書、構築手順書、進捗管理・報告資料 などなど)
・納品形式(紙、電子ファイル)
・作成ツール(WordやExcel)とバージョン(バージョン違いで表示が崩れることがある)
・粒度(どのような細かさで記載するのか?)
可能であれば、テンプレートやサンプルを入手します。入手できない場合は類似プロジェクトのドキュメントをこちらから提示して「こんなカンジでいいですか?」と確認することも有効です(ってかやるべき)
2: 作業実施ルールの明確化
お客様が指定する作業ルールは、状況によっては作業効率に大きく影響するので確認しておきましょう。以下のチェックポイントを挙げます
・作業場所の指定はあるか?(お客様先での作業が必須、自社への持ち帰り可能・・・)
・作業場所でインターネットは利用可能か?(各種技術情報を参照できる環境か?否か? これ結構デカい)
・データの持ち出しは可能か?(持ち帰り作業が可能であっても、データを持ち出しできなくて実質「持ち帰り作業がNG」のケースも)
・作業を効率化するツールの導入可否できるか?(構築作業/テスト作業/移行作業などは、フリーソフトなどを活用することで効率化出来る可能性がありますが、そもそもルール上フリーソフトの導入がNGならそれを前提に作業を考える必要があります)
・本番導入やテスト実施時に再鑑者は必要か(本番導入作業を単独でやるケースはあまりないと思いますが、単体テストレベルでも再鑑者が必要(実施する人と結果を確認する人を分ける)な場合もあります)
・テスト結果に必要な情報(テスト結果をまとめるに辺り・・・チェックシートに〇が書いてあればいいのか? それとも〇を証明する別の資料(画面ショットやログなど)必要か?)
・負荷テストの要否(システムに想定される負荷を掛けて問題が無いかを確認するテストを必須とするお客様もいます)
3: プロジェクト管理ルールの明確化
プロジェクト管理についてもお客様のルール従う必要があるので明確化しておく必要があります。
・進捗報告の頻度と作成すべき報告資料の内容
・課題管理やリスク管理の方法
・フェーズ終了時の判定について(判定会議や報告書の有無など)
・リリース判定について(誰にどのような内容を報告し、リリースの許可を得るのか?)
4: プロジェクトインターフェースの明確化
ここでいうインターフェースはシステム間のインターフェースではなく、プロジェクトチームとしてのインターフェースです。具体的には以下のような項目です。
・検討事項を誰と相談して決めるのか?
・関連システムに関する確認事項は誰に問い合わせればいいのか?
・当プロジェクトへの確認事項は誰から受けるのか?
例えばお客様の代表者が全てのインターフェースのHUBとなっていただければリスクは低いのですが、関連チームや関係者それぞれにインターフェースを取らざる得ない場合はリスクも対応工数も高くなりがちです。
場合によってはプロジェクト外関連チーム間の調整まで依頼され(押し付けられ)たりするケースもありますので注意が必要です。(非常にキケン!)。
明確化イメージとしてはプロジェクトと外部の体制図を作成してコミュニケーションチャートを線で表し確認していきます。また情報のやり取りに対するルール(質問票テンプレートの有無や一般的な回答までの日数など)も確認しておきましょう。
ここまで挙げた1~4の項目については通常お客様から積極的に提示されることはありません。なぜなら他のルールを知らないお客様から見ればこれらの項目は「常識」だからです。ですのでこれらの項目はプロジェクト側から積極的に確認する必要があります。
5: タスクを明確化する
確認した上記項目を踏まえ、プロジェクトで必要なタスクと工数について明確化します。
必要なタスク挙げる段階では何人かの人に協力を要請し、ブレスト形式で行うことをお勧めします。ブレストについては以下のリンクおよび各種インターネットサイトをご参照ください。
ブレストできるようになろう!
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