スペースシャトルの事故と東大阪・町工場の職人さん

昔テレビで見たのですが・・・

1986年1月にアメリカのスペースシャトル・チャレンジャー号が打ち上げから73秒後に分解し、7名の乗組員が全員死亡した事故。その映像をじっと見つめる東大阪・町工場の職人さん。
熱心に見ているその姿にテレビのインタビュアーが「どうしてそんなに真剣にご覧になっているのですか?」と尋ねると、職人さん「いやもしかしたら俺の作った部品が原因かもしれないと思ってね」とのこと。

実はスペースシャトルには日本の町工場で作成された部品がたくさん使われていたそうです。なのでこの職人さんは「もしかしたら自分の仕事で7人もの人が亡くなったのかもしれない」と思い他人事ではないといった顔つきでした。

その職人さん曰く「間違いなく設計図通りには作ったけど、全体がわからないから “アソビ” の具合がわかんなかったんだよね」と。スペースシャトルの全体はもちろん機密事項なので部品の発注においてはその部品に関する情報しかもらえなかったそうです。本来であれば全体を把握した上で回りの部品との間隔や想定される温度変化などを考慮し適度な “アソビ” を持つことが必要とのこと。この “アソビ” が「職人の腕」だとその方はおっしゃっていました。

もちろん、仮にこの方の作られた部品が原因で事故か発生したとしても責任を追及されることはないでしょうが、与えられた情報の少なさから自分の腕が発揮できなかった、納得できる仕事ではなかった、という自責の念が事故映像を見つめる真剣な眼差しに繋がっていたのだと思います。(いやーカッコイイ)

さて、我々のシステム開発の場合はどうでしょう?
私は、システム開発においても “モノづくり” という点では全く同じだと思います。自分の担当した部分がたとえ局所的だったとしても、可能な限り広い範囲を見渡した上で適切な “アソビ” を考えておくことが、システム全体としての品質に必ずや繋がると思いますよ。

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