仕様検討、立場が違えば…

新しいシステムの仕様を検討する局面において、お客様ご担当者のご希望は「皆の意見を上手く盛り込んで、皆の満足いくシステムにしてもらいたい」ということになります。この言葉は裏を返せば「少なくとも私が悪者になるようなことが無いようにお願いしますよ!」という気持ちの表れでもあります。新システムリリース後、ユーザーからの苦情を受けるのはご担当者な訳ですから、そういう気持ちになるのも当然のことと思います。

しかし、システムに対するご希望/ご期待は立場によって様々です。その中には立場が違うことにより相容れないご希望/ご期待が存在する場合も多くあります。そんな時我々どうすれば良いのでしょうか?
もちろん「お客様ご担当者に調整をお願いする」という対応も有りではありますが、我々自身が立場の違いを理解し、落し所を考え、ご希望/ご期待に添えない部分については「なぜ、そうしなければいけないのか?」「そうしてもらうことによって会社全体にどのような利益があるのか?」を明確にし、それをしっかりと伝える必要がある場合もあります。幾つか例を挙げます。

ログイン時のパスワードについて

・システム屋のアプローチ:対 最高情報責任者(CIO)
インターネットなどで他社事例を確認し、一般的には「12桁以上、3か月に1度程度の変更」が妥当であることを説明し理解を得る

・システム屋のアプローチ:対 一般ユーザー
システムセキュリティ事故などの事例を紹介しつつ、情報漏洩が会社に与える損害がどのような物かを説明する
パスワード失念時の運用サポートを説明する

営業日報で入力する項目について

・システム屋のアプローチ:対 営業部長
必要とされるフィールドについて、どのように活用する想定なのかを明確し、仮に活用方法があいまいな物については「必要に応じて追加開発を行う想定で、まずは現場の負荷を考慮して今回は見送りましょう」と説得してみる

・システム屋のアプローチ:対 営業担当
皆さんに設定していただきたいフィールドの活用方法を伝え、その意義をご理解いただいた上で協力をお願いする
できるだけ入力負荷が軽減されるようなインターフェース(選択入力、タイプアヘッドなど)を用意する

システムは活用されなければ何の意味もありません。時にはこのようアクションを行うことが必要な場合も(多々)ありますので是非参考にしてください。

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