定例ミーティングで確認したいこと(4つの問い)

プロジェクトが始まると通常1週間に1回程度定例ミーティングという会議が開催されます。
この会議では主に以下のような議題で1時間程度の話し合いが行われると思います。
・プロジェクトの進捗状況
・問題&課題の確認
・検討事項(決め事)についてのディスカッション

プロジェクトの状況を共有するための「問い」
私がリーダーをさせていただくプロジェクトでは上記議題をディスカッションした後、最後にプロジェクトメンバー全員に以下の「問い」を行い数値で回答してもらうようにしています。
(問1) プロジェクト目的への方向性はずれていないですか?
=>回答:ズレていない:5<->1:ズレている
(問2) プロジェクトの全体が見通せていますか?
=>回答:見通せている:5<->1:見通せていない
(問3) ご自分の役割を認識していますか?
=>認識できている:5<->1:認識できていない
(問4) 当該プロジェクトに関する安心感/不安感はどの程度ですか?
=>安心:5<->1:不安

「問い」の意味
〇 (問1) プロジェクト目的への方向性はずれていないですか?
プロジェクトは目的に向かってみんなで力を合わせることが必要ですが、状況によってはプロジェクト内での作業がプロジェクトの目的からズレていくことがあります。当然目的からずれた作業に工数を使うことは無駄もしくは非効率ですよね?
そうならないために、プロジェクトメンバ全員が定期的にプロジェクトの目的を再確認し自分の作業と照らし合わせてもらいます。

〇(問2) プロジェクトの全体が見通せていますか?
プロジェクトで行う作業には全て関連があります。チーム全体として高品質/高効率の作業を行うためには自分の作業についてだけでなく他の作業との関連も意識して行った方がチーム全体の生産性を向上させます。
プロジェクト全体の中で自分が実施する作業の位置付けを理解してもらうことで、個人の集まりではなくチームとして機能するように促します。

〇(問3) ご自分の役割を認識していますか?
「(問2)」と関連しているのですが、チーム内で自分の役割を認識することは非常に重要です。自分の役割が解っていないと「人に言われたことしかしない/できない」ことになり、そのメンバーの実力を発揮してもらいづらくなります。
また、周り認識と自分の間で「役割」にギャップが生じているとすればプロジェクトとし非常にマズイ状況です。
-PM「Aくん、XXX作業は(Aくんの役割だから)Aくんにお願いしますね」
-Aくん「(えー、それって俺の担当?)・・・・・わかりました(はぁ、また今日も残業だ)」
といった感じのことって非常によくあると思いませんか?
また、上記のようにPMがはっきりAくんに作業指示を出して役割についてすり合わせればまだ良いのですが、お互いに、
-PM「(Aくんがやってくれるはず)」、
-Aくん「(私の担当じゃない)」
と思っていて作業が置き去りにされると最悪です。(でもこのケースも非常に多い)
こうなるとPMとAくんの間で無駄な争いが発生した挙句、最終的にその作業を振られたメンバーは「モチベーションが最悪」な状態で「厳しいスケジュール」を強いられることになります。

〇(問4) 当該プロジェクトに関する安心感/不安感はどの程度ですか?
問題や課題といった具体的な物ではなく「なーんとなく不安に思っていること」はネガティブな印象を与えるのでなかなか話しづらいものですよね?
しかし「不安」というのはトラブルの初期状態であるケースが多く早めに挙げてもらうことで、トラブルを未然に防ぐ、もしくは被害を最小化することができます。
また不安を抱えたまま作業をすることは精神的にも良い状態ではありませんので、不安を抱えているメンバーがいたらメンバー全員で共有して不安を軽減してあげましょう。

対象はお客様の含めたメンバー全員で
これらの問いは自社のメンバーだけでなく可能であればお客様ご担当者にもご回答いただくことをお勧めします。
何故ならお客様ご担当者が表立ってクレームを言わないタイプの方であれば、これらの「問い」によりプロジェクトに対する小さな不満を拾い上げることができるからです。
加えて経験上お客様の「不安」は本当に良く当たります。そのような貴重なご意見をできるだけ早期に汲み取るためにこの4つの問いを活用してみてください。

全員に参加してもらう
メンバー1人1人への問い&点数での回答を行うことで全員にミーティングでの発言の機会を与えます。全員に発言機会を与えることでプロジェクトの連帯感も上がりますし、それぞれの回答した点数をきっかけにさらに「なぜ」を繰り返し有意義な議論へ導くことができます。

アンケート形式でもOK
また、口頭でヒアリングするのが難しい場合は電子メールなどを利用したアンケート形式にしてミーティグ後に提出してもらうというやり方もあります。アンケート結果については次回の定例ミーティングでフィードバックしましょう。

「問い」の活用
問いの回答は数値化されるので、グラフにしてみるとプロジェクトの状態の遷移が解ります。前回より数値が上がったか? 下がったか? を確認し、その原因を全員で深堀してみるのもプロジェクト状況に関する共通認識を得るのに非常に効果的です。
私の経験から言うと、プロジェクト開始時の回答全体の平均数値は3程度で、プロジェクトが進むにつれ少しずつ上がっていき、サービスイン直前には4.5程度になることが理想です。

今回の話はちょっと「馴染みの無い話」と感じる方が多いと思いますが、この「4つの問い」はそれほど手間もかからないし、非常に効果的なので是非トライしてみてください。

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