プロジェクトを進めていくと、プロジェクト計画段階では想定していなかった大小さまざまな課題が必ず発生します。そのためプロジェクト管理においては、作業の進捗管理だけではなく、日々顕在化する課題の管理もプロジェクトマネジャの非常に重要なタスクといえます。
逆にいえば課題の発生しないプロジェクトというものは存在しません。仮にプロジェクトを進める上でまったく課題が発生しないとすれば、それは課題が本当に無いのではなく見えなくなっている(もしくは隠されている)だけなのかもしれません。
課題に対するプロジェクトマネジャの姿勢(課題を歓迎する)
プロジェクトの課題をスムースに顕在化させるには、何よりもまず「マネジャが課題を嫌がる」といった姿勢をとってはいけません。例えば、課題を顕在化させたメンバーを叱咤したり、課題対応を一方的に命じたりということがあると、課題はどんどん闇に葬られ気付いた時にはとてつもない大きさに育っているということになります。
ですので、貴方がプロジェクト管理側の立場であれば「課題は必ず発生するもの」と認識して、課題の顕在化に貢献したメンバーを称賛するなど、積極的に課題を顕在化する努力をするべきです。
課題解決の普遍的アプローチ
課題が顕在化すると多くの人は「なるべく早く簡単に解決しよう」とします。しかし簡単に解決できるようであればそもそも課題として認識される前に解決されてしまうので、認識された時点でその課題は「そんなに簡単に解決できないもの」と認識するべきです。
さてそんな課題に対する解決方法は普遍的で、まず、
・ 課題ゴールを再確認する(課題が解決した状態を明確化する)
・ 現状を正確に認識する
ということから始めます。極めてあたりまえのことですが「行くべき場所」と「現在の場所」を明確にしないでその道筋を決めることは不可能です。
しかし急に困難な課題に直面すると、この普遍的アプローチを忘れ「一瞬で課題を解決できる “魔法の一手” をいつまでも探し続けてしまう」ことになりがちです。
課題の解決の “魔法の一手” は存在しません。「行くべき場所」と「現在の場所」を明確にし現実的な解決策を積み上げていくしかないのです。

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