効果的なプレゼンテーション資料の作成(5)

当テーマの5回目です。(1回目2回目3回目4回目

プレゼンテーションの典型的な流れについては前回以下のように提示させていただきました。今回はこの各パートで記載すべき内容について書きます。

現状の明確化
ここでは事実に基づき、現状を客観的に表現します。このパートで課題を記載するケースもありますが、基本的には現状の表現に留めます。現状を表現しつつ、聞き手が何となく課題に気づいてくれるように記載するのがベストです

”あるべき姿”の想定
ここでは実現の可否は考えず、理想的な状態を語ります。あるべき姿の前に、現状の課題を列挙した方がスムースな場合もあります。前節で「聞き手が何となく気付いた課題」の答えが記載できれば非常に効果的です(掴みはOK) 。現状と比較して「あるべき姿」は以下の点で優れている必要があります
– 売上面(上がる)
– 経費・コスト面(下がる)
– ルールへの準拠 (ルール:法律/条例、監督官庁からの指導、業界標準、取引先からの指定など)
– リスクが軽減
またあるべき姿の正当性を示すため、以下のような情報があると効果的です。
– 統計情報(官公庁やIPAなどの公的機関の統計情報は特に有効)
– 事例(同様の内容・同業他社の情報)
– 有識者の意見

“あるべき姿”へのアプローチ
ここでは、あるべき姿に到達するためのアプローチを記載します。 ここまでである程度の絞り込みができている必要があります。 また、前節で記載したあるべき姿(理想)まで到達せず、途中(現実的な状況)まででもOKです(理由は必要)。 1つの項目に対しあるべき姿へのアプローチが複数ある場合は、比較する形で記載します。複数のアプローチは以下の基準で比較します。
– コスト、時間、リスク

考慮点について
最後に、あるべき姿へのアプローチに伴う考慮点(課題やリスク)について記載します。実はこの部分は非常に大事で、ネガティブな部分も理解してもらった上で、行動変化を起こしてもらう必要があります。もし、この部分がなかったらたとえターゲットに行動変化が起こったとしても、後々「聞いていない!」「騙したのか?」といったクレームに繋がることもあり、ターゲットとの関係が悪化する可能性があります。また、あえてネガティブなことを記載することで、当該プレゼンテーションに関する書き手の本気度・内容の信用度を上げることができます。さらに、ターゲットと考慮点を共有することで、それらの解決への協力を要請します。
– コストが膨らむ可能性があります(その時は追加コストをお願いします)
– 要員が集まらない可能性があります(人集めに協力してください)
– スケジュールが遅延する可能性があります(その時はご調整をお願いします)
もちろん各考慮点について、現時点で解決・回避できない理由を明確化する必要はありますし、解決・回避に必要な今後のアクションについても出来る限り明確化する必要があります。

(つづく)

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